- ドラマや映画には飽きた。試しにアニメを見てみたけど、退屈な作品ばかりだ。
- 完結していなくても良いから、余韻やカタルシスを感じられる最終回を迎えるアニメを見たい。
- 中途半端な終わり方をするアニメは見たくない。時間を無駄にした気がする。
初めてアニメに関心を持った方にとって、最初に見るアニメは重要です。
しかし、自分の好みに合うアニメを見つけることは大変です。
評価の高い作品がアニメ初心者に必ずしも向いているとは言えません。世間では名作と言われていても、視聴後の満足感が低くなってしまうことがあります。
色々な要因がありますが、そのうちの1つは完結することを前提で、アニメを視聴し始めることです。試しにアニメを視聴してみたものの、中途半端な部分で最終回を迎えてしまい、時間をかけた割に視聴後の余韻を全く感じられないということがあります。
筆者は大人になってからアニメに関心を持ちました。Dアニメを契約してから5年以上経過しコンプリート作品は200作を超えました。まもなく最高グレードに到達します。5年間、数々の作品を見てきましたが、最終回まで見て時間を無駄にしたと感じることも多々あります。
そんな経験を踏まえて、最終回を視聴し終えて余韻を感じたか、カタルシスを感じたかという観点で、最終回まで見て絶対に後悔しないアニメを紹介します。また、アニメに不慣れな人にとって、忌避感を感じる可能性のある要素にも言及しますので、参考にしてください。
この記事を読めば、大人になって初めてアニメを見る方が、最終回まで見て良かったと思える名作アニメと出会うことができます。
目次
最終回視聴後の余韻が凄い!記憶と心に焼き付くアニメ
盾の勇者の成り上がり 第1~2期
作品紹介
2019年1月から2019年6月まで2クールで放送されたアニメ。原作は小説が22巻まで販売されています。原作5巻までが2019年にアニメ化され、2022年現在、新作アニメが放送されています。
本作は魔法が存在するファンタジー世界が舞台になっています。魔物が存在し、人間以外にも亜人が生活しています。そんな世界に突然普通の大学生が異世界召喚されたところから物語が始まります。
突然異世界に召喚された岩谷尚文は、盾の勇者として異世界に召喚されました。
異世界に召喚された理由は、召喚された世界に発生する災厄の波に対抗する為でした。
尚文は戸惑いながらも一緒に召喚された剣の勇者、弓の勇者、槍の勇者と共に、災厄の波に立ち向かうことを決意します。
しかし、周囲から「盾かよ・・・」という冷たい視線を浴びせられ、尚文は言いようのない不安感を覚えます。
異世界召喚されて世界の為に戦うことを決意したのに、何だか雲行きが怪しい展開?
その通り!尚文の不安は的中してしまいます。間もなく尚文は身に覚えのない罪を被せられてしまいます。
身ぐるみを剥がされ、信用、名誉、財産、持つもの全てを失った尚文は深く絶望し、激しい怒りを覚えます。
尚文に残されたのは、冷遇されるきっかけとなった攻撃性能を持たない四聖武器の盾だけです。
尚文は生き抜く為に敵を倒すことができる力を求めて、奴隷商から亜人の少女ラフタリアを購入します。
尚文は理不尽に抗い、ラフタリアと共に生きていきます。
見どころ
最終回まで視聴しても、災厄の波との決着は付きません。
しかし、どん底に突き落とされた尚文が成り上がるまでの過程は、綺麗に描かれています。
最終回を見終える頃には、強烈なカタルシスを得ることができます。
以下の点に注目してアニメを視聴すると、最大限カタルシスを得ることができます。
- 想像を絶する逆境に抗う尚文の生き様
- 奴隷商に売られていたラフタリアの過去と願い
- ラフタリアと出会ったばかりの頃に、彼女に食べさせたお子様ランチのエピソード
その他のオススメ理由
- 作画は一般受けしやすく綺麗である。
- 複雑な設定はなく、内容を追いやすい。
- 定期的にカタルシスを得られる話があり、小分けにして視聴しやすい。
アニメ独特の絵は少なく初心者が忌避感を抱く要因である子供っぽい絵やデフォルメは少ないです。
逆境に抗う主人公にとって周囲全てが敵である為、対立構造が明確で内容が分かりやすいです。
カタルシスを得られるタイミングという観点で良い区切りを考えると次の通りです。
- 第4話 「暁の子守唄」
- 第12話 「漆黒の異邦者」
- 第15話 「ラフタリア」
- 第21話 「尚文の凱旋」
- 第25話 「盾の勇者の成り上がり」
オススメできない人もいる
自信を持って名作と呼べる作品ですが、人によっては合わない可能性もあります。
以下に抵抗感を感じる方にはオススメしません。
- 異世界召喚もの自体が苦手。
- 現実世界を前提にすると、違和感を感じる表現がある。
- ある程度まとまった時間を確保する必要がある。
異世召喚というジャンルであり忌避感を抱く人もいます。
異世界召喚ジャンルにありがちな、ご都合主義や、偏りすぎた登場人物の男女比といった特徴は多少見られます。
リアルな世界に召喚されているにもかかわらず、レベルアップ、武器のステータスといったゲームの言葉が出てくることは気になります。
また、尚文視点で時々表現されるゲーム画面みたいなステータス表示は、作品を見ていて少し違和感を感じる要素ではあります。
尚文以外の勇者が、召喚された世界を現実と考えるに至らない要素の1つになっており、必要な設定でもあります。
小分けにして視聴しやすいですが、やはり最後まで見る為には時間が必要になります。
視聴期間が空きすぎると没入感が損なわれ、最終回で感じられるカタルシスも減ってしまいます。
86-エイティーシックス 第1~2期
作品紹介
2021年4月から2021年6月、2021年10月から2021年12月の分割2クールで放送されたアニメ。
原作は小説が11巻まで販売されています。
現在、原作3巻までアニメ化されており、アニメ3期制作発表が待ち望まれている作品です。
本作は機械と人間の戦争が激化し、最前線で戦う人々には明日の命さえ保証されていないという暗い世界観です。
ターミネーターの未来世界みたいな感じですか?
イメージはその通りです。ただ、本作では人間側の団結に大きな問題があります。
機械との戦争なのに人間側が団結に問題がある?どういうことですか。
本作の舞台となるサンマグノリア共和国は、差別思想が非常に強く、髪や瞳の色が白でない人々を家畜として扱っています。
戦争においても、その差別が顕著であり、有色人種は危険な最前線で戦うことを強いられ、戦死しても死亡者とは扱われません。
一方、白色人種は、戦線から遠く離れた安全な指令室で管制担当者として現場を指揮しています。
戦争と差別という暗いテーマが混在しているのが本作の特徴です。
少なくともターミネーターでは、人間側は一致団結して機械との戦争に臨んでいたのに・・・
主人公のシンエイ・ノウゼンは、そんな戦線の最前線で現場指揮官としてスピアヘッド戦隊を率いる歴戦の兵士です。
戦績だけでなく、安全なはずの指令室にいる管制担当者すら退職や自殺に追い込んでしまうので、死神という別名で呼ばれています。
物語は、もう1人の主人公であるヒロイン、白色人種のヴラディレーナ・三リーゼがスピアヘッド戦隊の管制担当者に着任したところから始まります。
差別主義を唱える国の方針に強い疑念を抱いている彼女は、死神と呼ばれるシンエイ・ノウゼンに警戒心を抱きながらもスピアヘッド戦隊の兵士に向き合っていきます。
見どころ
最終回まで見終えた後の余韻は、凄まじいです。原作3巻までのアニメ化ですが、中途半端に終わったとは感じません。
視聴者が抱く様々な感情を完璧に昇華してくれます。
いわゆる「俺たちの戦いはこれからだ!」という終わり方になるのですが、原作が3巻で完結していると説明されても、何ら違和感を感じない文句なしの完成度です。
以下の点に注目してアニメを視聴すると、最終回に感じられる余韻が深くなります。
- 有色人種と白色人種の立場を超えて紡がれていく絆
- 主人公達には、どうすることもできない無力感、やり場のなさ
- 死神と呼ばれる主人公の背負う十字架の重さ
その他のオススメ理由
- アニメ的な表現が少なく一般受けしやすい作画である。
- ご都合主義の通じない現実的作品である。
アニメ特有のデフォルメした表現等も少なく、作画も一般受けしやすく綺麗であり、見やすい点も高評価です。
機械と戦争していることを想像すると、現実的にありえそうなストーリーであり、創作物にありがちなご都合主義はありません。
冷酷な結果が常に突きつけられる点で非常に現実的な厳しい作品とも言えます。
オススメできない人もいる
自信を持って名作と呼べる作品ですが、人によっては合わない可能性もあります。
以下に抵抗感を感じる方にはオススメしません。
- 難しい心理描写や抽象的な表現が多い。
- 戦争や差別をテーマにしている為、辛い展開が続く。
- 時間をかけて23話まで丁寧に見る必要がある。
難しい心理描写や抽象的な表現が目立ちます。しっかりと解釈すれば、作品をもっと好きになれますが、人によっては、頭が痛くなり眠れなくなるかもしれません。
しっかり見れば、細かい心理描写を追えなくても最終回では余韻をしっかり感じられます。
戦争や差別をテーマにしているので、明るい気持ちになれる作品ではありません。
暗い気分になってしまうので、明るい作品を求めている時にはオススメできません。
時間があまりない方にもオススメできるアニメではありません。最終回である23話まで見ることが前提のオススメです。
物語として区切りの良いタイミングはありますが、23話まで到達しないとフラストレーションが溜まったままになります。あえて区切りの良い話数は掲載しません。
宇宙よりも遠い場所
作品紹介
2018年1月から2018年3月で放送されたオリジナルアニメ。全13話で完結済みの作品です。
本作は、それぞれ悩みを抱えている少女4人が民間観測隊に選ばれ南極に行き、日常に戻っていくまでが描かれている作品です。
主人公の1人である女子高生の小淵沢報瀬の母親は、南極の民間観測隊のメンバーでした。
しかし、南極で吹き荒れるブリザードにより遭難して小淵沢の母親は消息不明となります。
母親の死と向き合う為に、小淵沢報瀬は南極の民間観測隊になりたいと強く思っていますが、女子高生が民間観測隊に入ることは、まず不可能であり、周囲からは南極と呼ばれ馬鹿にされています。
ハードな事情を抱えている女子高生が主人公が南極を目指す物語なんですね。
ハードな背景はありますが、暗い雰囲気の作品ではありません。
そんなある日、小淵沢報瀬は、民間観測隊に志願する為にバイトで稼いだ100万円の入った現金袋を落としてしまいます。
それを偶然拾った玉木マリは、同じ高校の制服だったという記憶と、すれ違った時の香りから小淵沢報瀬を探し出し現金を届けます。
これがきっかけとなり、玉木マリは、南極の民間観測隊の話を知ることになります。
玉木マリも、高校になったら青春すると決めていたにもかかわらず、漫然とした日々を過ごしていることを話すと、小淵沢報瀬に一緒に南極へ行くことを誘われます。
南極の民間観測隊のメンバーになることを目指す過程で、高校に通わずアルバイトをしている三宅日向、女優として活躍する女子高生、白石結月と知り合います。
南極を目指すメンバーとして、南極で共同生活をしていく仲間として、4人は絆を深めながら、それぞれの抱える悩みが少しずつ解消されていくエピソードが描かれていきます。
見どころ
最終回に至るまで無駄が一切なく描かれており、少女4人の抱える悩みが南極に向かう経験を通じて解消されていく過程が秀逸に描かれています。
また、南極を目指して民間観測隊になるところで終わるのではなく、実際に南極に向かい、3ヵ月の生活を終えて帰ってくるまでを描いてくれている点も高評価です。
少女4人がメインの話ですが、南極の民間観測隊が、どのようなことをしているか具体的にイメージできるように丁寧に描かれていることも本作の魅力です。
特に以下の点に注目して視聴すると、最終回に至るまでに満足度の高い時間を過ごすことができます。
- 停滞している現在に登場人物がどのように向き合っていくのか
- 友情が紡がれていく過程。そもそも友情とは何なのか
- 小淵沢報瀬が、頻繁にメールを打っていること
その他のオススメ理由
- 現実の日本が舞台であり内容が分かりやすい。
- アニメ的な表現が少なく一般受けしやすい作画である。
- 4時間程度でまとめて見られる。小分けでも見やすい。
架空の世界が舞台ではない為、その作品の世界観でしか出てこない言葉などはありません。
南極に関する話も出てきますが、主人公達も南極を目指すのは初めてなので、視聴者にも分からないような学術的な専門用語は出てきません。
少女達の織り成す群像劇が魅力の本作であり南極に関することは、作品で追うことができる程度の知識量で視聴可能です。
アニメである以上、多少はデフォルメした絵は出てきますが、アニメ初心者の方が忌避感を抱くような絵は出てきません。作画は綺麗で見やすいです。
本作は13話と短く見やすいですが、さらに内容を小分けにすることもできます。小分けにすると区切りが良い話は次の通りです。
- 第5話 「Dear my friend」
- 第9話 「南極恋物語(ブリザード編)」
- 第12話 「宇宙よりも遠い場所」
- 第13話 「きっとまた旅に出る」
オススメできない人もいる
自信を持って名作と呼べる作品ですが、人によっては合わない可能性もあります。
以下に抵抗感を感じる方にはオススメしません。
- 南極で過ごす物語は多くない
- 多少ご都合主義に感じる話がある
短い話数でまとまっている為、見やすい分、あっさりしているという印象を抱く可能性はあります。
南極で本格的に共同生活をするエピソードは第10話から第12話までの3話だけで、色々なエピソードをもっと見たいという感想を抱く人もいると思います。
南極で共同生活をすることがメインの話でなく、南極を目指す過程で描かれる群像劇が見どころであると考えてください。
南極という厳しい環境での生活が描かれている訳ではありません。
また、多少、ご都合主義に感じる話もあります。いくらバイトをしたとはいえ女子高生が、3年間で100万円も貯蓄できるのか、都合よく女優と知り合うことができるのかとは思います。
物語の展開としては、自然であり筆者は違和感を感じませんでしたが、気になる人はいるかもしれません。
まとめ
この記事で紹介している作品全てに言えることですが、最終回の余韻とは、そこに至る過程に引き込まれているから得られるものです。
最近の流行りである、ながら見をしてしまうと、感動が半減するので、まとまった時間を確保して、一気見することをオススメします。
アニメ初心者の方には、アニメは子供っぽい、オタクが見るものという印象を持たれる方もいると思います。
たしかに、癖が強い作品も数多く存在しています。しかし、アニメという表現方法が選ばれているだけで、内容としては大人向けのコンテンツもあります。
「アニメだから」という理由だけで避けるには惜しい作品を様々な切り口で紹介していきますので、少しでも趣味を広げる参考にしてもらえれば嬉しいです。